EPP,EPS機 タイプⅠ,Ⅱ,Ⅲ 作成方法・図面

タイプⅠは翼長55㎝,Ⅱは翼長80.7㎝です。Ⅲは後退翼で胴長です。タイプⅢが一番安定しています。 タイプⅡはEPPでも作成してみました。

スチレンボード機
発泡スチロールは割れますが手に入りやすいと思います。ホームセンターでは主に5㎜が販売されており,両面に紙が貼ってあります。画材店だと1㎜,2㎜,3㎜などもあります。こちらは紙が貼ってありません。
曲げて曲面を作った場合,復元力が大きくて時間がたつと接着剤が剥がれます。曲面は少し切り込みを入れると上手くいきます。
発泡ポリプロピレンは曲がりやすく割れません。また瞬間接着剤が使えます。曲がりやすいので主翼などは補強しないと重力で下がってしまいます。ホームセンターなどではほとんど販売されていないので自分で注文する必要があると思います。
なお,発泡ポリプロピレンは高価です。
詳しい寸法はA0サイズのpdfファイルでご覧いただけます。(最下部図面の項目)
説明不足で分かりにくい部分があると思います。ページ最下部から遠慮なくご連絡ください。
図や写真,説明文を追加します。

材料と工具(共通)  プラスチック(石油から生まれた合成樹脂)にはいろいろな種類がありますが,プラモデルはポリスチレン樹脂(=スチロール樹脂)が主に使われています。  ポリスチレン樹脂(=スチロール樹脂)に空気を含ませて膨らませたものを発泡ポリスチレン(=発泡スチロール)と言います。  発泡ポリスチレンの発泡率を小さくして板状にしたものを「スチレンボート」,発泡率の大きいものを「発泡スチロール」と一般には呼んでいます。 「スチレンボート」には「デコパネ」「紙貼りパネル」などいろいろな商品名があります。  発泡スチロール(=発泡ポリスチレン)はEPSと略されます。EPSは衝撃で割れます。

↑発砲率30倍,10㎜厚のEPPです。簡単に曲がります。

 衝撃に対して優れているのは,発泡ポリプロピレン(EPP)です。  EPPは,ホームセンターに置いてないことが多く,通販で購入する以外ないようです。  は実物の確認ができないのですが発泡率30倍で10㎜厚程度が良いようです。  EPPは衝撃には強いですが柔らかく,特に主翼などは重力でたわむので補強が必要です。EPSの方が安価で,手に入りやすく,取り扱いが楽です。また,割れたら修理すれば済みます。

EPSについて  「紙貼りパネル」は紙を剥がすのは楽ですが「デコパネ」はなかなか剥がせません。しばらく水につけておいて雑巾で擦って紙を落とし,最後は指で擦って落とします。糊はマニキュアリムーバーで溶かせますが,時間がかかります。  むしろ、少し重くなりますが,紙を残せばその分強度が出ます。ただし,水に濡らさないように注意します。  紙が貼ってあると湿気を吸うので戸外での使用は無理です。また,表面の紙との接着になるのでぬれると剥がれます。  100円ショップのパネルは紙がはがれません。また,強度があまりありません。 EPP購入先  ▶トンボデザイン模型工房(オンラインショップ)

工具

① 定規   30㎝金属製(100円ショップにあります)   スチレンボードカット用に50㎝以上のものがあれば便利です。(目盛りは必要ありません。幅2㎝長さ90㎝のアルミ板など) ②カッター  スチレンボードや薄いバルサ材には小型のものが使いやすいのですが,シナベニアは大型のものが便利です。 ③はさみ ④デザインナイフ(あれば便利です) ⑤ヤスリ(着陸脚の加工) ⑥ペンチ(着陸脚の加工) ⑦はんだとはんだ鏝(ESC,バッテリのコネクター加工)

 スチレンボードは紙が貼ってあるので結構切りにくいです。薄手のカッターであまり力を加えずに,何回も繰り返してカットします。  カットしたあとで紙を剥がします。カッターの刃先で少し剥がすとあとは手で剥がせます。 「紙貼りパネル」は紙を剥がすのは楽ですが「デコパネ」はなかなか剥がせません。しばらく水につけておいて雑巾で擦って紙を落とし,最後は指で擦って落とします。糊が水性ではないので残りますがその方が強度が残るようです。糊はマニキュアリムーバーで丁寧に溶かせますが時間がかかります。 紙が貼ってあると湿気を吸うので戸外での使用は無理です。また,表面の紙との接着になるのでぬれると剥がれます。 100円ショップのパネルは紙がはがれません。使えません。

接着剤 ①両面テープ(薄手のものと厚手のもの)  ほとんどを薄手の両面テープで接着します。 ②有機溶媒を含まない接着剤  固まっても柔らかいもので「速乾クリア」が良いと思います。 ③瞬間接着剤(EPPのとき)  EPPは瞬間接着剤が使えます。また,油性のスプレー塗料が使えます。

④有機溶媒を含まない接着剤(EPSのとき)  「速乾クリア」などがお勧めです。 接着剤

↑こちらの接着剤はEPP,EPSに使用できます。  LOCTITE(ロックタイト)製です。瞬間接着剤ではありません。

⑤ヒンジテープ スチレンボード機

↑ヒンジテープは20㎜幅を使います。 「OK模型」から透明のヒンジテープが販売されています。伸びずにしっかり着くので使いやすいと思います。 最近「防水テープ (20mm幅)」と表示されています。テラオカ製です。下の写真とは芯の内側のデザインが変更になっています。

⑥ホットボンド  必ずしも必要ではありませんが,あれば便利します。

グルーガンとホットポンド

↑ホットボンド(写真右)を使うにはグルーガン(写真左)が必要です。100円ショップにもあります。

カーボン素材は下記から購入しています。  ホビーショップ・アルファ 千葉県船橋市コスモテック 東京都西東京市 ヒンジテープは下記で購入しました。下記サイト内で「防水テープ」で検索します。  OK MODEL ダイレクト(ヤフーショッピング店)

タイプⅠ 材料のカットと組み立て

材料

① 5㎜厚スチレンボード 「紙貼りパネル」B2判(5×800×550㎜定価800円)を文具店で購入しました。  紙が貼ってあった方がボールペンでカットラインが描けるので便利です。 ② 1㎜厚バルサ板 1枚 ③ 5×5㎜バルサ棒 1本 ④ 2×5㎜ヒノキ棒 1本(90㎝) ⑤ 0.5㎜厚4~5㎜幅カーボン平板 2 本   手にはいらないときは2×5㎜ヒノキ棒を使います。 ⑥ 10×10㎜バルサ棒(モーター取り付け用長さ6㎝) ⑦ 0.2~0.5㎜厚プラスチック板(タイプⅡは1㎜)   コンビニ弁当のふた(平らなもの)で十分です。 ⑧ シナベニア2~3㎜厚。29×30㎜ 普通のベニアでもよいと思います。 ⑨ 1.5㎜ピアノ線(着陸脚用) ⑩ 2~3㎜ビスナット少々

スチレンボードカット図

↑胴体カット図

↑尾翼カット図

↑主翼・エルロンカット図

スチレンボード機

↑ウインクレットカット図

バルサ・シナベニアカット図

↑バルサ・シナベニアカット図です。バルサ板は1㎜厚,シナベニアは2㎜厚です。あと5×5㎜バルサ棒を使っています。  シナベニアは普通のベニアでも良いと思います。

プラスチック板カット図

↑0.3~0.5㎜厚のプラ板です。ハサミで切れます。

胴体と垂直尾翼の組み立て

↑2×5ヒノキは0.5×5カーボン平板の方が良いと思います。薄手の両面テープで止めます。バルサは接着効果を高めるためにクリアラッカーを塗っておきます。  主翼止めと尾翼止めの5×5バルサは翼を取り付けるときに両面テープで止めます。  スチレンボードは前の部分をバルサに合わせてカットします。

↑モーター取り付け板と胴体は10×10㎜角バルサで接着します。上の写真の部分は瞬間接着剤で留めますが,出来上がったブロックは「タイトボンド」で接着しました。

スチレンボード機

↑胴体上部に2㎜厚バルサを「タイトボンド」接着します。幅は7㎜です。

スチレンボード機

↑接着剤が乾いたら水性のスプレーで塗装します。  スチレンボードだけだと飛ばした時に機体の向きが分からなくなることがあるので胴体,垂直尾翼,主翼上面を塗装しました。  ラダー,水平尾翼,エレベーター,主翼下面はそのままです。

主翼の組み立て

↑スチレンボードをプラスチック板で連結します。コンビニ弁当などのプラスチック板で十分ですが,薄いので両面に両面テープで貼ります。  エルロンも同様にホーンを取り付けるプラスチック板を貼ります。

↑主翼のエルロン側に0.5㎜厚5㎜幅のカーボンを両面テープで貼り付けます。  写真では主翼前面に4×4㎜バルサを両面テープで貼り付けた後,角を取り丸くしています。  カーボン平板が無いときは2×5㎜ヒノキ棒で良いと思います。(カーボンは高価なので)

スチレンボード機

↑胴体に主翼を通し,5×5㎜バルサを使って両面テープで止めます。(補修が楽です)

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↑断面図です。尾翼も同じ方法で止めます。

エルロンの組み立て

スチレンボード機 kakudai

↑エルロンは取り付ける側を45°にカットします。  プラスチック板に穴を開けホーンを取り付けます。接着は「タイトボンド」「レジン」「速乾クリア」などが使えます。瞬間接着剤など有機溶媒を含む接着剤はスチレンボードを溶かすので使えません。  ホットボンドではしっかりと固定できません。  主翼を胴体に通して接着したあとでエルロンをヒンジテープで取り付けます。

尾翼の組み立て

↑スチレンボードにプラスチック板を両面テープで貼り付けます。  ホーンの部分をデザインナイフで切り取ります。ホーンは2㎜厚シナベニアで作って接着剤で留めます。「速乾クリア」が良いと思います。

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↑上から見た尾翼の様子です。5×5㎜バルサを両面テープで止めます。

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↑下から見た尾翼の様子です。5×5㎜バルサを両面テープで止めます。

メカの搭載とリンケージ

スチレンボード機

↑サーボの配置です。エルロンサーボ(9g程度のもの)は胴体をカットしてはめ込み2㎜木ネジで止めます。  ラダーサーボとエレベーターサーボ(5g程度のもの)は厚手の両面テープで止めます。住友3Mを使いました。  エルロン用のサーボホーンにはロッドストッパーを着けて長さの調節がしやすいようにしました。エルロンホーン側はZ字型に曲げています。  エレベータとラダーは釣り糸(2号程度)で結びます。方法については「工作のテクニック」の「5 リンケージとストッパー」を参照してください。

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↑バッテリーはファスナーテープ(マジックテープ)で止めます。

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↑受信機とESCです。受信機はファスナーテープ(マジックテープ)で止め,ESCはクッションを挟み結束バンドで止めています。

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↑モーターは2㎜木ネジで止めています。プロペラはプロペラセーバーとOリングで止めています。  Oリングはホームセンターの水道関係のコーナーにもあります。

着陸脚の取り付け  上の写真では車輪を結束バンドで止めています。なくても良いのですが,あればなんとなく安心です。

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↑着陸脚は1.5㎜ピアノ線で作ります。  車輪は直径50㎜アクリサンデーで作りました。中心は3㎜Φ,長さ10㎜のプラスチックパイプを接着します。  ピアノ線はモーター取り付け板の直後に配置し,下部を結束バンドで止めます。

塗装  白い機体は上空で見失ってしまうことがあります。また,向きも分かりにくいので主翼の裏側(または表側)だけ視認性の良い赤のスプレーで塗装しました。水性スプレーでないとスチレンボードは溶けます。

↑上面の写真。テスト機のもので,車輪はついていません。バランスの関係でバッテリーなどの位置が最終型とは異なっています。

↑下面の写真

タイプⅡ 材料のカットと組み立て

 タイプⅡは7㎜厚発泡スチレンボード(EPS)と10㎜厚発泡ポリプロピレン(EPP30倍)と両方テストしました。EPPの方が翼面荷重が小さくなり,最低速度が小さくなります。ただし,曲がりやすいのでカーボン平板での補強が必要です。

材料

① 7㎜厚スチレンボード 「デコパネ」B2判(5×800×550㎜)をホームセンターで購入しました。 ⑤ 0.5㎜厚4~5㎜幅カーボン平板 1 本   手にはいらないときは0.3㎜厚プラ板を使います。 ⑦ 1㎜厚プラスチック板 ⑧ エポキシグラス板。手に入らないときは1㎜厚プラ板 スチレンボートのカット図

胴体の組み立て

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↑両面テープで止めます。EPPの場合は少し両面テープの接着力が弱い(凹凸がある)のでさらにホットボンドで止めます。

プラスチック板のカット図

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↑1㎜厚プラスチック板をカットします。

プラスチック板の貼り付け

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↑上図でカットした1㎜厚プラスチック板を両面テープで貼り付けます。

尾翼のカット図と組み立て

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↑水平尾翼とエレベーターのカット図です。

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↑ラダーのカット図です。

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↑ホットボンドまたはEPPの場合は瞬間接着剤でも良いと思います。

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↑ラダーの下は補強します。カーボン平板を両面テープで貼り付けます。

モーターマウント

↑初め上のようにしていましたがガラスエポキシは固すぎてちょっとした衝撃で接着部分が割れてしまいます。側面を1㎜厚アルミ板に変更しました。モーターの取り付け部分は2㎜シナベニアでもよいと思います。

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↑アルミ板の方が間隔を簡単に変更できます。

↑胴体への取り付けは3㎜ビスナットで取り付けます。両面テープは使いません。

↑バッテリー取付用のマジックテープを7㎜厚スチレンボードで主翼と高さを合わせて貼り付けます。

主脚

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↑少し長めに作って後側に傾けます。長く作ることでクッションの役目をします。2㎜ピアノ線です。

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↑主脚は3㎜ビスナットで1カ所止めます。爪楊枝は強い力が加わった時に折れて機体を守ります。  爪楊枝で弱いときは3㎜竹ひごを使います。

メカの配置

スチレンボード機

↑メカの搭載はバランスを取りながら仮止めして最適位置を決めます。

完成

スチレンボード機 kakudai

EPPで作成する場合の注意  基本的にはサイズなど同じですか,EPPは柔らかいのでいくつか変更した点があります。 ⑴軽いので機器の位置が変わりました。重心を取りながら機器を仮止めしながら決めていきます。 ⑵カーボン平板の補強を主翼の前後に変更しました。(主翼上面から前面に変更)  カーボン平板の代わりに2×5㎜ヒノキでも良いと思います。

スチレンボード機
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⑶ヒンジテープの粘着力が小さいので,クリアホルダーを15㎜幅に切って両面テープで留めました。 ⑷ホーンは初めに0.5㎜厚の樹脂板に接着してから両面テープでとめました。 ⑸基本両面テープで止めますが,ホットボンドで補強しています。瞬間接着剤も使えますが,柔らかいものと固いものは相性が悪く,広い面積には使わない方が良いようです。  メカ類の搭載で両面テープの着きが不安な場所は,両面テープとEPPの間に瞬間接着剤を一滴垂らしておけば十分です。  紫外線硬化型レジンで硬化後も柔らかいもの(太陽の雫など)も良いのですが,高価なのでもったいない笑顔

タイプⅢ 材料のカット

 組み立てについてはタイプⅠ,Ⅱを参考にしてください。  メカの搭載については「5 メカ搭載のアイデア」を参考にしてください。

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↑胴体カット図

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↑主翼カット図

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↑水平尾翼,エレベーター,ラダーのカット図

メカ搭載のアイデア

 EPP(発泡ポリプロピレン)やEPS(発泡スチロール)は柔らかいのでメカ類の搭載はバルサ機と違って工夫が必要です。  1㎜厚のプラスチック板を両面テープで張り付けて,それに取り付けるようにすと上手くいきます。 モーターの取り付け

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↑モーターの取り付けです。力が分散するように大きめのプラスチック板を両面に貼り付けています。

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↑EPPやEPSは軟らかいのでビスナットを締めると変形します。そこで内径3㎜程度の塩ビパイプをEPPやEPSの厚さの分切ってビスナットに通します。

着陸脚

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↑こちらもプラスチック板はできるだけ広くします。

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↑2㎜ピアノ線を1㎜アルミ板に取り付けます。  アルミ板はペンチで曲げてピアノ線を巻きます。

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↑正面から見た断面図です。

サーボの取り付け

 サーボをプラスチック板に両面テープで留め,さらに両面テープで機体に取り付けます。

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↑エルロンサーボです。

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↑ラダーサーボとエレベーターサーボです。

ホーンの取り付け  ホーンは両面テープと2㎜ビスナットでプラスチック板に取り付け,プラスチック板を機体に両面テープで取り付けます。

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↑エルロンホーンです。

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↑ラダーホーンです。

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↑エレベーターホーンです。

リンケージは糸が軽くて安上がりですが,やはりロッドとロッドストッパーが取り付けが楽で調整も簡単です。 ジャイロ  ジャイロはBigaole 3G-Aを使用しました。  取り付けと調整については「飛行機用ジャイロ」のページをご覧ください。

通常の接続 esc接続

↑ジャイロを使用しない通常の接続です。  初めにこの回路でサーボの動作やモーターの回転を確認してからジャイロを組み込みます。

pdfファイル図面  A0サイズのpdfファイルです。画像をクリックして「プログラムで開く」でご覧になれます。  別ウインドウで開きます(再読み込みをしないと表示されない場合があります)。  リンクが切れていました訂正しました。2020/12/27

タイプⅠ

タイプⅡ 図面

タイプⅢ

pdfファイル図面

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